近年注目が集まっている「発達障害」という概念は、一つの障害ではなく注意欠如多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)など含まれています。
またこれらの障害はしばしば合併することもあり、医療機関での正確な診断が重要です。
注意欠如多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)は、症状が明らかな場合は幼少期までに気付かれることもありますが、症状が軽かったりその特性を周囲が受け入れる環境にいたために大きな問題に直面せずに成長し、大人になり社会との関わりが深くなってはじめて様々な問題が顕著になる場合が増えています。
最近、メディアでもよく取り上げられ、「自分自身がそうかもしれない」と感じて受診する方が増えています。
注意欠如多動性障害(ADHD=Attenuation Deficit Hyperactivity Disorder)は頻度の高い発達障害の一つで、主な症状として不注意、多動性、衝動性があります。
幼少期からじっとしていることが苦手(多動性)、順番を待てない(多動性)などの症状を認めることが多いですが、近年は大人になり社会生活を営む中で、注意の持続が困難(不注意)でミスが多くなりより、はっきりと生きづらさを自覚するようになり診断に至るケースも増えています。
ADHDは子供の病気と考える方も多いと思います。
ADHDの症状を示した子供の実に70~80%は、大人になっても何がしかの症状を持続的に持っていると言われています。ADHDは決してまれな病気ではありありません。
ADHDの大人は注意の持続が困難で、細部に注意が向かない為に、仕事や家事でケアレスミスや物忘れが多いです。
また、しばしば約束の時間に遅れたり、約束を忘れたり、締め切りに間に合わなかったりします。そのために、大きなトラブルになったり、人からの信用を失ったりします。
仕事に関しても、衝動的に後先を考えずに仕事を変わったり、ワーカホリックになったり、2つの仕事をかけもって疲れ果てたりするケースもあります。
また、恋愛面でもトラブルを起こしやすく、家庭問題になったりもします。
このようにADHDの大人は、本人の人間性や知能などに問題はないのに、社会適応性が悪かったり、親密な人間関係の持続が困難になったりするために悩むことになります。そのために、自尊心が低下して、うつ病や不安障害になることも多いのです。
ADHDは治らない病気ではありません。治療などにより十分に改善することが可能です。
日常生活への支障を最小限にする為、生活環境や人間関係などを見直すための心理社会的治療と薬物療法を組み合わせて治療を行います。近年、ADHDの治療薬であるストラテラ、コンサータが成人にも適用となったことは大きな朗報です。
ADHDの主な症状は「多動性・衝動性」「不注意」に大きく分けられます。
子供のADHDは多動性・衝動性が主な症状となることが多く、一方大人のADHDでは不注意が優勢となることが多いとされます。
大人のADHDでは注意の持続が困難で、細部に注意が向かない為に、仕事や家事でケアレスミスや物忘れが多くなります。
また、しばしば約束の時間に遅れたり、約束を忘れたり、締め切りに間に合わなかったりするために、大きなトラブルになり人からの信用を失ったりします。
このように、本人の人間性や知能などに問題はないのに、社会適応性が悪かったり、親密な人間関係の持続が困難になったりするために悩むことになります。 そのために、自尊心が低下して、うつ病や不安障害になることも多いのです。
具体的には以下の様な症状が挙げられます。
ADHDでは脳内の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが低下していることが報告されており、遺伝要因や環境要因など複数の要素が発症に関与していると考えられています。
遺伝的な要素としては、親がADHDの場合50%程度の確率で子に遺伝するという報告もありますが、特異的な遺伝子の発見には至っていません。
環境的な要素としては、妊娠期間中の喫煙やアルコールの摂取、周産期の問題(未熟児、母体内感染症など)、養育環境などが指摘されていますが明確なものはありません。
ADHDの原因はまだ完全に解明されていないため、遺伝的な要素と環境的な要素の両方が関与している可能性があることを考慮しながら、個々のケースに合わせた適切な治療や支援を受けることが重要です。
大人のADHDの国際的な診断基準としては以下のようなものがあります。
これらの症状の多寡により、不注意優勢型か多動性・衝動性優勢型かが決まります。
大人のADHDの場合は、不注意優勢型が多いことが知られています。
これらの症状に心当たりがあり、日常生活で不自由を感じることが多い場合は、まずは一度受診してください。
ADHDの治療のベースは薬物療法と心理療法です。
日常生活への支障を最小限にする為、これらの治療を組み合わせて行います。
近年、ADHDの治療薬であるストラテラ、コンサータが成人にも適用となったことは大きな朗報です。
現在、成人には3種類のお薬(コンサータ、ストラテラ、インチュニブ)が使用可能です。
症状、持続時間などを考慮して使い分けており、単剤で効果が不十分な場合は併用することもあります。
またコンサータを処方できるのは、処方医として登録された医師のみで、当院には処方可能な登録医も在籍しております。
ただし、これらの薬は根本的に不注意・衝動性・多動性を治癒させるものではなく、あくまでも症状を軽減させるためのものです。
それにより、環境調整や行動変容がしやすくなり、患者さんの生きづらさを改善し、患者さんの自己効力感を再生するための補助的なものと位置づけられております。
患者様の中には薬物療法に抵抗感を訴えられる方もいらっしゃいますが、これらのお薬は比較的安全で有用性も高いものですので、適応がある方には積極的にお勧めしています。
必要に応じて医師による診察以外での、カウンセラーによる個別心理カウンセリング(認知行動療法)や「大人の発達障害のための集団認知行動療法」を行っています。
特に、グループでの障害の理解と対処スキルの習得を目指す集団精神療法は極めて有用な治療法と考えられます。
私たちは、常に患者さんのニーズに合ったオーダーメイドの治療法をご提案するよう心掛けています。
大人のADHDでは不注意や集中が持続しないことで、日常生活に様々な障害を引き起こします。
ちょっとした工夫をすることでミスを減らせることもあります。
ここでは効果的とされている具体的な対処法をいくつかご紹介致します。
〒450-6626
名古屋市中村区名駅一丁目1番3号
JRゲートタワー 26F
052-571-7001
休診日:祝日
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~13:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
15:00~19:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |