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睡眠時無呼吸症候群(SAS)
SASとは「睡眠時に無呼吸を繰り返す病態の総称」です。
患者数は約240万人、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を患っている方では、さらに高い確率でSASが合併していることが分かっています。
特に、薬が効かない高血圧(薬剤抵抗性高血圧)の80%にSASが合併しており、薬が効かない原因はSASではないかとも言われています。
このようにSASは珍しい病気ではなく、身近に潜んでいる疾患です。
SASは睡眠を妨げることにより、以下のような症状を引き起こす場合があります。
1.日中の眠気
2.おおきないびき
3.起床時の頭痛
4.熟睡感がない
SASの合併症には以下のものが挙げられます。
■高血圧
SAS症例の40~70%に高血圧が合併するといわれています。高血圧は脳卒中や心疾患、腎不全を引き起こす要因です。
■脳卒中
SAS患者さんが発症する可能性は、健康な方の約4倍です。
■糖尿病
SASの場合、体重に関係なく、通常の約1.5倍の耐糖能異常リスクがあります。
■心疾患
SAS患者さんの心疾患発症リスクは健康な方と比較し、約3倍に跳ね上がるとの報告もあります。
当院におけるSASの検査は、検査装置を一晩お貸しし装着して頂きます。
呼吸、いびき、SpO2(酸素飽和濃度)、脈拍を24時間測定します。また、1時間に呼吸が何回止まったか、何秒間止まったかについても測定可能です。
SASに対する治療法としては、CPAP療法が最も一般的な治療方法です。CPAP療法は睡眠時に常に気道に陽圧をかけることで、睡眠時の気道の閉塞を防止します。
CPAP装置と専用のマスクをお貸しし、月一回の通院で管理治療を行います。
■CPAP装置を使用した場合の気道の様子
CPAP療法を行うことで、昼間の眠気が解消されると、認識力や集中力・記憶力がアップし生産性が上がります。
また、意欲がわくことで、運動負荷が高まり結果的に体重の減少につながることも期待できます。
SASに罹患している人は、心筋梗塞や脳卒中などの致命的な心血管イベントが健康な人の約3倍になりますが、CPAP療法を実施すると、健康な人と変わらないほど低下します。