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うつ病(双極性障害)


現代社会ではうつ病に罹患する人々が急激に増えてうつ病は身近な問題となっています。当院でもうつ病を始めとした心療内科分野を中心に診療を行っています。

うつ病の治療には高度な医学知識と専門技術を持ったメンタルクリニックによる診療が不可欠です。
一般的にはうつ病の治療というと薬物療法をイメージされる方が多いですが、うつ病は薬物治療のみでは良くならないケースもあります。
当院では薬物療法だけではなく総合的にうつ病を緩和させていく治療を提供しております。

うつ病の中でも、初診時に“うつ”を主訴に来院される患者さんの3割〜4割は躁うつ病(双極性障害)であるとも言われており、その鑑別のためには医療従事者の高度な医学知識や経験が必要です。
当院は各分野のキャリアが長い主治医のもと、メンタルクリニックとして患者さんとの信頼関係を築きながら着実にうつ病を治療していくことが大切だと考えています。

そのためには西洋医療の薬物療法も大事ですが、薬物療法は対処療法としての側面も強いです。うつ病を治していくために漢方薬や運動療法心理療法うつ病リワークプログラム栄養療法など様々なアプローチを通じた治療を提案・提供しております。


うつ病の主要な症状としては以下のものが挙げられます。

1.抑うつ状態

ずっと気分が沈んでしまって「憂鬱だ」「何もしたくない」「落ち込んでいる」「悲しい」など気持ちの落ち込みが長時間持続している状態です。
本人の言葉や表情に暗い感情や焦りや疲れが出ているので周囲から見ても気づきやすい症状です。

2.食欲の変化

うつ病に罹患すると食欲が低下する場合が多いです。逆に甘い物ばかりを欲しがり過食に走る人も見受けられます。
これにより体重が極端に重くなるか軽くなって生活習慣病に罹りやすくなります。

3.興味や関心がなくなる

今まで楽しく行っていた趣味や仕事などに急に関心を持てなくなり意欲が著しく低下していきます。
自分から何か行動を起こそうとか周囲の人と触れ合おうという気持ちにならなくなり、自分ひとりの世界に引きこもることが多くなります。

4.集中力・決断力の低下 

注意力が散漫になって集中力が低下していきます。仕事や勉強があまり続けられなくなり、家族との関係もうまくいかなくなります。
決断力が低下して些細なことでも考え込んでしまうようになります。物事を決めることができず「自分は何もできない」と悲観的になって、会社を辞めたり離婚を考えたりするので周囲からの心のサポートも不可欠です。

5.不眠

寝付きが極端に悪くなったり、眠りが浅く夜中や早朝に目が覚めたりなど、睡眠で充分な休養が取れなくなります。
体が休まれないため起きることができなくなります。夜の睡眠が極端に長くなることや、日中が寝てばかりになることで昼夜逆転してしまう場合もあります。
規則正しい食事や睡眠がとれなくなって体力が低下していきます。また遅刻や欠勤も多くなって日常生活に支障をきたすことになります。

6.動作や動きが遅くなったりする

周囲の方から見ても明確にわかる程度に体の動きが遅くなり、口数も減って声が小さくなったりします。
何事にも時間が掛かってしまい、焦るものの何事もうまくいかないようになります。あるいは逆に強い不安を感じるためにじっとしていられず、落ち着きなく焦燥感で体を動かすこともあります。
この場合に表面上は元気であるかのように見えるので、周囲の人々はうつ病だと気づきにくい問題点があります。

7.強い罪悪感を抱くようになる

理由もなく過剰に自分自身を責め、他の人が気に留めていないような些細なことを思い出しては悩んでしまうことがあります。
また本来自分と関係ないことまで自分の責任のように感じでしまい、「自分はいらない人間だ」と強く思うようになって自責の感情を抱きやすくなります。

8.自殺願望

「生きていることがつらい」「いっそ死んでしまった方がましだ」「死んだら楽になる」などと考えてしまいます。
気分が沈みきって何もする気持ちになれない状態では、自殺をする気力もありません。
しかし、少し症状が良くなり身体を動かせるようになると、死にたいという感情に従って実行に移してしまおうとすることがあります。
うつ病の治療中、死んでしまいたいという気持ちが繰り返し出てきます。この気持ちが非常に強い時は、ひとりで解決しようとせず入院し経過を観察することも必要です。


うつ状態は、脳が疲れて体力が著しく低下した状態になっています。まずは十分な睡眠をとり、脳や身体の負担を軽減することが何より大切です。

もともと、真面目・几帳面・仕事熱心・責任感の強いタイプの方がうつ病が発症しやすい傾向にあります。
このタイプの方は、休養をとるということ自体が苦手であったり、仕事を休むことに抵抗感や罪悪感を持っていたりするため、休まずに頑張りすぎてしまい、ますます脳が疲弊していき症状が悪化してしまいます。
現在も仕事を持っている方には、積極的に休養・休職をすすめます。どうしても仕事を休めないような場合は、仕事量や就業時間を減らして負担を軽くするようにします。
また、主婦の場合は、家事を分担してもらうなど、まずはご家族と協力しながら心の負担を減らすことが大切です。

並行して、薬による治療も行います。(単極性)うつ病の場合は主に抗うつ薬による治療が中心となります。
抗うつ薬は、脳内のセロトニンやノルアドレナリンという神経物質の働きを高めて、抑うつ気分、不安や緊張、焦燥感を取り除くというような効果を現します。

様々なタイプの薬があるので、漢方療法を含め一人一人の症状や状況にあった薬を使います。また、双極性障害(躁うつ病)の場合は、単極性うつ病とは薬物療法が大きく異なります。
従ってうつ病と双極性障害を適格に診断することは、その患者さんの予後を大きく左右することになります。間違った診断を受けないためにも信頼できるメンタルクリニックに通う必要があります。
服薬を含めてすぐに効果が現れるわけではなく、個人差はありますがまずは1週間から3週間の期間が必要です。
通常であれば、2ヵ月から半年くらいである程度うつ病の症状もよくなりますが、その後も継続的に服薬を続けることが必要です。
治ったと思って自分の判断で服薬をやめてしまうと、うつ病の症状が再発してしまい慢性化してしまうおそれもあります。
また、人によっては心理療法も有効です。
メンタルクリニックの信頼できる医師や心理士と相談し、自分に合った薬と治療を見つけることが大切だと言えます。

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